BLOG 代表者ブログ

復職支援 3つの観察ポイント 誰も知らない!専門家がやっている休業者支援

重要な観察ポイント3つ

休業から復職して1年経過、再発せずに過ごせるといいですね。

きっと周囲も休業していたことを忘れるほど、以前とは違う

働きぶりに目を疑うでしょう。

復職のゴールは、再発しないで「就労継続」できること。
そのためにも、休業中の支援はとても大事です。

そこで三大観察ポイント、と筆者がお伝えしたいことがありますので
実務をされている方の参考になれば幸いです。


復職間際になってくると、生活リズムが安定してきて

休業初期の症状
(例:日中の眠気、気分の落ち込み、自信喪失、罪悪感、自責の念ほか)

などはほぼ軽減するか、なくなっている状態でしょう。

逆に自己効力感がでて、気分的には高揚感がでてきているかもしれません。

日中は図書館に行ったり、街を歩いて散策したり

家事も器用にこなせるようなって家族関係も回復されているかもしれません。

これだけ元気だと、仕事に行けるでしょっと

ご家族からも 主治医の先生からも

お墨付きが出る頃ですが、復職となると

また違う観察ポイントがあります。

回復してきたのは、

①症状と
②セルフケア能力ですね。

しかしこれだけでなく、

③業務遂行能力の回復

も必要ですので1つずつ観察ポイントを解説させていただきます。

①症状の回復での観察

症状が回復してくると自己効力感も向上してくる頃です。

自分で自分を再びコントロールできますよね。

ここで注意してほしいのは、休業前のリズムに戻ってしまうことです。

夜型の方の場合、21時、22時に就寝できていたのが

だんだん0時過ぎになっていくことがあります。

すると復職時にはさらに遅くなり、寝る前の安定剤が

朝に残って出社できなくなることがあり要注意です。

②セルフケア能力

セルフケア能力が回復してくると、家の事、家族のことを

たくさん引き受けて、毎日充実した生活を送られることが多いです。

これまでにない充実感を感じる方もおられます。

ご家族にも喜ばれますね。

ところが、復職したら休業中のようにはできなくなります。

そこでもう一度、ご家族と話し合う必要があります。

家事スキルが向上した、ということは、仕事への適応も

間近。

復職して家事分担が計画的に行えるかどうかを検証して

ご家族の理解を得ておくことも大切です。

「いや、それは会社ではなく本人が考えることでしょう」と

思われるかもしれませんが、ここがラインケアと大きく違う点です。

病気の特徴から、うつ病の方でも「躁転」を抑える必要があるのです。

一時的に活動が活発になっている状態は長く続くと疲労感につながります。

体力と仕事、家事、生活活動をセルフケアしながらみつめ治すことができます。

意外にも復職後は会社からの期待に加え「ご家族からの期待」から

体調を崩すことも未然防止していきましょう。



③業務遂行能力の確認

生活リズムが安定し、家事育児も積極的に関わり、言う事ありませんね。

しかしここからは、もう少し仕事モードに移していきます。

事務作業の方の場合、

「新聞を読む」「小説を読む」「自己啓発本を読む」「パソコン入力作業」

などに挑戦していただき、

さらには、ワードなどで文章を「転写する」「要点をまとめる」「感想を書く」

と言った作業をしていただくことが有効です。

製造系や運搬など体力を使う方の場合、

一日3時間から5時間程度、歩いたり運動をすることで

体力をつけていきます。

事務作業の方にも体力は必要なので、一日の内、1時間程度は

体を動かすなどして、通勤や日中座位で過ごすために

必要な体力を備えます。

最後に、業務遂行能力で必要なのは

「集中力」「注意深さ」

この2つは、最低1時間程度、作業に集中できるまで

回復してくるといいですね。

そして、作業後に誤字や入力ミスの数をカウントしてみて、

ミスが減っていくことをご自身で確認するまでになってくると

もう復職は眼の前。

次の課題、

「人間関係のシミュレーション」

を援助していかれるといいですね。

観察しては振り返ってアセスメント

さて、いかがでしたか?

いかなる支援も、

観察→ケア・傾聴・介入→アセスメント→観察

の繰り返しです。


休業中のリスク判断は?
 危機の程度・回復の程度は?
  解決の鍵なるものは?
   残される問題は?
    解決しておくべき要素は?
     確認不足な情報は?
      回復目標は?
       休業できる猶予期間は?


これらをあらかじめ整理して

御本人・医療機関・職場と「連携」を図っていきましょう。